「個人情報保護法施行後不便になった」約7割 - 「何かにつけて個人情報」
個人情報保護法へ評価がわかれている。国民生活センターの調査では、同法が役立たないと感じる人が31.2%に達する一方、26.2%は漏洩防止に役立っていると感じているという。また過剰反応など、不便と感じている人も7割弱に達した。
国民生活センターが、2007年10月から12月の間に全国47都道府県で実施した「個人情報保護法に関する説明会・相談会」の参加者1万2812人を対象にアンケートを実施し、判明したもの。有効回答率は55.3%、有効回答数は7091人。
個人情報保護法に期待する効果としては、「個人情報の安全管理責任の強化」との回答が50.6%で半数を超えた。次いで「情報の漏洩や悪用についての罰則強化」「知らない事業者からの勧誘電話やDMを制限したりやめさせること」と続く。「期待することはない」との回答は2.3%とごく少数だった。
同法の有効性については、「漏洩を確実に防ぐことは法律では不可能と思う」と法律による対応の限界を感じるとした回答が37.5%だった。漏洩問題が発生していることを理由に「法律が役に立っていない」とする回答も31.2%に達している。
一方で、26.2%が「事業者が素早く対応するなど漏洩防止に役に立っている」と回答するなど、意見がわかれる結果となった。評価が二分したことについて同センターでは、事業者が積極的に公表するようになったことを理由に挙げている。
また法律施行後の変化についての質問では、「取り扱いが慎重になりすぎて不便になった」との回答が68.0%でトップ。「事業者・団体の個人情報に関する取り扱いが適切になった(18.5%)」、「社会全体の個人情報に関する取り扱いが適切になった(9.1%)」を大きく上回り、不便になったと感じている人が多い。
不便な点について具体的に聞いてみると、「何かにつけて個人情報だと言われる」が57.4%と一番多かった。また、名簿の作成が中止になったことや緊急時における個人情報を教えてくれない、統計調査がやりにくくなったことなど、過剰反応とも見られる影響が出ている。
また個人情報のトレーサビリティに関する質問では、95.3%がどこで個人情報を入手したのか明らかにしてほしいと回答するなど、入手経路への関心が高い。同意なく自分の個人情報が流通しても構わないと答えたのはわずか8.3%で、約9割が自分の個人情報の流通をコントロールしたいと考えていることがわかった。
(Security NEXT - 2008/03/25 )
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