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ウイルス感染被害が昨年同期より倍増 - 不審通信の8割はSMTPかHTTP

トレンドマイクロは、2009年上半期の国内におけるウイルス感染被害報告を取りまとめた。USBメモリ経由で感染する「MAL_OTORUN」が1位だった。また、正規サイトの改ざんによりウイルスを埋め込む手法も目立っている。

2009年上半期の国内における不正プログラム感染被害報告数は2万8628件で、2008年同期の1万4878件から約92ポイントの大幅な増加を見せた。

1位は昨年8月から11カ月連続でトップを占めている「MAL_OTORUN」。同ウイルスはUSBメモリなどリムーバブルメディアのオートラン機能を悪用して感染するもので、上半期の報告数は2484件。上位10種の報告数合計の約43.5%を占める。

2位の「WORM_DOWNAD」はWindowsの脆弱性を悪用するものだが、2008年11月に確認されて以来、多くの亜種が流通。リムーバブルメディア経由で感染するものや、共有ネットワークを介して感染するもののほか、4月には偽セキュリティソフトをダウンロードする亜種も確認された。脆弱性を解消しても感染するケースもあり、同社では総合的なセキュリティ対策の重要性を強調している。

また4月から5月にかけて、国内で正規サイトの改ざんが頻発した。3位に入っている「BKDR_AGENT」の亜種「JS_AGENT」が埋め込まれ、最終的にはFTPアカウントを盗聴する「TROJ_SEEKWEL」がダウンロードされるケースが相次いで発生した。同ウイルスは短期間で多くの被害が報告されており、5月に初めて確認されたにもかかわらず、上半期のランキングで6位に入っている。

企業内で発生した不審な通信については、SMTPが約45.4%、HTTPが約37.3%を占め、8割以上がメールおよびウェブ関係の通信であることがわかった。

ドメイン別の取得検体数ランキングでは、「com」が1位だった。注目すべきは中国のドメイン「cn」で、昨年同時期に2位だった「net」を抜いて2位に浮上した。そのほか国ではポーランドや韓国、アルゼンチンなどが上位に入っているが、件数では中国が突出している。

同社が発表した2009年上半期のウイルス被害報告数ランキングは以下の通り。

1位:MAL_OTORUN
2位:WORM_DOWNAD
3位:BKDR_AGENT
4位:TROJ_VUNDO
5位:TSPY_ONLINEG
6位:TROJ_SEEKWEL
7位:JS_IFRAME
8位:MAL_HIFRM
9位:BKDR_TDSS
10位:TROJ_DLOADER

(Security NEXT - 2009/07/07 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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