標的型攻撃は「公共機関なりすまし」から「オレオレ詐欺」まで
企業内の機密情報を狙う標的型攻撃が発生しているが、情報処理推進機構(IPA)の分析によれば、標的型攻撃のメールは、大きくわけて4種類存在しているという。公的な情報を悪用するケースはもちろん、友人を装って複数回にわたりメールをやりとりするケースもある。
標的型攻撃は、特定の組織や個人に絞った攻撃。メールを利用してマルウェアを攻撃対象者に感染させ、端末内に保存された情報などを窃取する。同機構では、直接受信したり、届け出を受けた標的型攻撃のメール事例を調べ、攻撃の手口を4種類に分類した。
攻撃の手口を見ると、ウェブサイトなど公表された情報を加工し、添付ファイルや本文に利用するケースがあった。一般的に出回っている根拠がある情報を利用することで受信者の安心感を得ようとしていると見られる。また「組織内の業務連絡メール」を装うケースも確認されている。
添付ファイルを利用しない攻撃もあるという。添付ファイルへ警戒するユーザーの隙を突くもので、HTMLメールなどを利用してアクセス先を偽装し、不正サイト経由でマルウェアを感染させようとする。
さらに手の込んだ攻撃も発生している。攻撃対象者と親しい間柄を装うもので、いわゆる「オレオレ詐欺」といった振り込め詐欺の手法に似ていた。
例としては、以前に面識があるなどとして連絡。受信者側が当初不審に感じつつも、不審な添付ファイルがなく、内容も一見害がないように見えることから数回やりとりを繰り返すうちに警戒心を和らげ、「以前会った際の写真」などと説明をして、添付ファイルを開かせ、ウイルスへ感染させる。
(Security NEXT - 2011/10/21 )
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