IPA、標的型攻撃の技術レポートを公開 - 偽装工作の手抜きも
情報処理推進機構(IPA)は、同機構がここ6カ月に報告を受けた標的型攻撃メールについて分析した技術レポートを公開した。
同レポートは、機密情報の窃取などを目的に企業や組織内の個人へメールを送信し、ソーシャルエンジニアリングを用いてウイルスを感染させる「標的型攻撃メール」の動向について取りまとめたもの。
同機構では、2011年10月から「標的型攻撃メール」の特別相談窓口を設置。情報提供や相談を受け付けており、今回は2012年4月から2012年9月にかけて報告を受けた21件について傾向などを分析した。
レポートの装丁読者はおもに企業や組織の情報システム部門の担当者だが、一般従業員でも標的型攻撃を理解し、被害対策に役立つ内容となっている。
調査結果によれば、今回報告を受けた標的型攻撃では、無料のウェブメールサービスが利用されていたり、実行ファイルのアイコンを偽装せずにそのままメールへ添付しているなど、凝った偽装工作は見られなかったという。
また同期間には、同機構に対する標的型攻撃も発生しており、同レポートで発見した経緯なども含め、詳細を報告している。同攻撃では、実在する人物を偽装し、3分間に19件のアドレスへ連続して送信。メールに添付されていたファイルは、遠隔操作によりパソコンのスクリーンショットを取得できるウイルスだった。
ウイルスの接続先であるC&Cサーバは、以前に同機構が受けた攻撃と同様の接続先で、同一の攻撃者による執拗な攻撃が行われている。また同じ攻撃者から、同機構以外の組織に対しても標的型攻撃が行われていることも判明したという。
(Security NEXT - 2012/10/30 )
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