米政府サイトが改ざん、IEのゼロデイ脆弱性を悪用
米労働省のウェブサイトが改ざんされ、「Internet Explorer 8」に対するゼロデイ攻撃が行われた。閲覧者がマルウェアへ感染するおそれがあった。
今回の攻撃は、「IE 8」に存在する脆弱性「CVE-2013-1347」を悪用する攻撃。米FireEyeが攻撃を把握し、Microsoftに報告した。現時点で脆弱性を修正する方法はなく、Microsoftがセキュリティ更新プログラムの開発を進めている。
今回発生した一連の攻撃を分析した米Trend Microによれば、改ざんされたウェブサイトには、不正なスクリプト「JS_DLAGENT.USR」がしかけられていたという。
攻撃者は、同スクリプトをきっかけに、他サイトに設置された別の不正スクリプトなども利用しつつ、「Adobe Reader」など主要ソフトや、セキュリティ対策ソフトのバージョンを確認していた。
最終的には、「JS_EXPLOIT.MEA」が埋め込まれた不正サイトへ誘導。脆弱性を悪用するドライブバイダウンロード攻撃により、ウェブサイトの閲覧者はバックドア「BKDR_POISON.MEA」へ感染するおそれがあった。
同社では、今回見つかったバックドアについて、無償公開されているリモートアクセス管理ツール「Poison Ivy」で作成されたものと分析。「Poison Ivy」で作成されたバックドアは、これまでもたびたび標的型攻撃で利用されている。
今回の脆弱性は、「IE 8」のみに存在し、他バージョンは影響を受けないが、同社は、「IE 8」が「Windows XP」における利用可能な最新バージョンであるとして、脆弱性の危険性を指摘している。
(Security NEXT - 2013/05/07 )
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