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「Apache Struts 2」の脆弱性を悪用する攻撃ツールが公開 - 3日間で37件の被害

7月16日に修正されたばかりの「Apache Struts 2」の脆弱性「CVE-2013-2251」に対する攻撃の勢いが、日ごとに増している。すでに悪用ツールが公開されており、改ざんや情報漏洩などの被害拡大が懸念される。

今回の攻撃について監視を続けているラックによれば、アップデートが公開された翌17日の時点だけで89個のIPアドレスを発信元とした攻撃を観測。さらに18日には140個まで拡大した。これらIPアドレスからは、複数のサイトに対して攻撃が行われている。

さらに脆弱性を悪用するための攻撃ツールが公開されており、詳しい知識がなくても容易にコマンドの実行やファイルの作成が行える状況だ。

攻撃内容としては、内部調査やコマンドの実行のほか、バックドアを作成。外部からデータを取得する動きも見られる。当初17日の時点では、内部調査を行うコマンド実行がほとんどを占めていたが、19日朝からは、バックドアを設置しようとする攻撃が目立っている。

同社が監視する範囲だけで実際に被害が発生したケースを7月17日に16件、18日に19件を観測した。各社脆弱性対策を進めており、効果が現れているが、19日にも2件の被害事例を確認している。

攻撃の明確な意図、目的はわかっていない。バックドアファイルの設置を試みていることから、ウェブサイトの改ざんや、情報の窃取といった被害が今後顕在化する可能性があると同社では警鐘を鳴らしている。

問題の脆弱性は、7月16日に公開された「Apache Struts 2.3.15.1」で修正されており、アップデートすることで修正が可能。すぐに適用できない場合は、リクエストのパラメータに対して制限をかけたり、IPSの導入で攻撃を防ぐことができる。

ちなみに、今回公開された「Apache Struts 2.3.15.1」では、攻撃対象となっている「CVE-2013-2251」を含む2件の脆弱性が修正されている。いずれも日本から報告された脆弱性だった。報告者は三井物産セキュアディレクションの寺田健氏。

(Security NEXT - 2013/07/19 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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