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レトロゲームのハッカー裏話で盛況のなか「SECCON 2013」横浜予選が閉幕

セキュリティ技術を争う国内最大の競技大会「SECCON 2013」が開幕し、最初の地方予選となる横浜大会がパシフィコ横浜にて8月22日、23日に開催された。

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横浜大会上位10選手の得点

今回の横浜大会は個人戦。初日は、脆弱性を解析して情報を引き出す「SQLインジェクションチャレンジ」をはじめ、用語を読み解くかるた競技やクイズなど5種類の予選にて対決。2日目には、予選通過者が自身のパソコンを持ち込み、クイズ形式で出題される問題を解いて争った。

「SECCON 2013」の全国大会はチーム戦であるため、横浜大会で優勝および準優勝した選手には、メンバーを指名し、チームとして全国大会へ出場できるシード権が与えられる。

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優勝した草野さん

横浜大会で見事優勝したのは、IT関連企業に勤める草野一彦さん。これまでも複数の大会へ出場経験があり、学生を対象とした前回のSECCONでは4位と好成績を修めている。今回は会社の上司から優勝するようプレッシャーをかけられるなか、実力を出し切って地方予選で優勝、全国大会出場を決めた。

全国大会には、今回の地方予選へ一緒に参加した会社の同僚とチームを組んで挑む計画。「今回はあくまで地方予選。全国大会でぜひ力を発揮したい」と笑顔で意気込みを語った。

表彰式に特別審査員として参加したスペースインベーダーの開発者としても知られる西角友宏氏は、今大会の戦いを振り返り、「若い人があたらしいことにチャレンジすることは非常に意味があると思う。私も勉強してみたい」とコメント。

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西角氏(画面左)とすがや氏(同右)

「ゲームセンターあらし」の作者で京都精華大学のマンガ学部教授であるすがやみつる氏は、「私は8ビット世代だが、あたらしい技術を見て感動した。これからのIT業界を引っ張っていってほしい」と大会参加者を激励した。

実行委員長である竹迫良範氏は、今回の予選について「全体的に予想していたより獲得点数が高く、レベルの高い大会になった」と総評。「今回の大会では、かるたなどゲーム性を持たせるよう工夫した。次回の予選では、さらに楽しめる企画を用意したい」と語った。

また表彰式のあとは、特別審査員の両氏と実行委員長の竹迫氏、実行委員の宮本久仁男氏の4人で「レトロゲームの攻防戦」としてトークセッションを行い、マニアックなハッキング話に華を咲かせた。

西角氏は、スペースインベーダー開発の苦労話を披露。「名古屋撃ち」をはじめ、「裏技」としてバグを探すハッカーとの攻防が当時から始まっていたことを明かした。いざ重大なバグが見つかるとマシンが停止する可能性があるため、心配で夜も眠れない日もあったという。

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宮本氏(画面左)と竹迫氏(同右)

当時は限られた開発環境のため、手作業でマシン語に変換する「ハンドアセンブル」を行っていたという西角氏。コードを追加するだけでも大変な苦労があり、最終的にスパゲティコードとなったが、他開発者からは解読を阻止するための「難読化」だと思われていたというエピソードを語った。

すがや氏も、「Z80」のマシン語を操るなど劣らぬハッカーぶり。当時プログラムに熱中し、本業であるマンガの執筆そっちのけで寝る間も惜しんで開発を続け、体調を心配した家族にコンピュータを処分されたほどだったという。

また子どもが誕生した際の祝い金でこっそりポケコンを購入し、喫茶店でプログラムを書いていたというすがや氏だが、今でも「Python」によるプログラミングを楽しむ日々だ。

代表作品である「ゲームセンターあらし」にも、コンピュータに詳しいすがや氏らしいアイデアも詰まっている。

有名な必殺技の「炎のコマ」は、当時のCPUの動作が1メガヘルツで、それより早くジョイスティックを動かせば不具合が生じるのではないかとのアイデアから生まれた裏話を語り、会場を大いに盛り上げた。なお、「ゲームセンターあらし」は太田出版の「ぽこぽこ」にて無料で読むことができる。

(武山知裕/Security NEXT - 2013/08/27 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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