「IE」へのパッチ提供、2016年1月から最新版のみに - ブラウザ利用環境の確認を
米Microsoftは、同社ブラウザ「Internet Explorer」のサポートライフサイクルポリシーを変更した。2016年1月12日以降、最新バージョンのみサポート対象となる。国内も同様のポリシーが適用される見込み。
2014年8月時点で2016年1月12日以降にサポート対象となるIEのバージョン(表:日本MS)
同社は、今回のサポートライフサイクルポリシーの変更にあたり、最新版のIEでは、旧版と比較してセキュリティ対策機能が向上しており、速度向上や拡張性を備えているなど、利用者や開発者にとってメリットがあると強調。今回の方針変更について理解を求め、最新版の利用を促していく。
従来同社では、サポート対象のOSで動作する「IE」については、すべてのバージョンをサポート対象としていた。2015年7月にサポートが終了する「Windows Server 2003」については、現在も「IE 6」がサポートされている。他OSに関しても、最新版だけでなく、複数のバージョンをサポートしている状況だ。
しかし、今回のライフサイクルポリシー変更により、2016年1月12日以降は、サポート対象OS上で動作する最新版のIEのみに限定。セキュリティ更新プログラムが提供される。それ以前のバージョンはサポート対象外となり、脆弱性が見つかっても修正することはできず、安全に利用することがほぼ困難となる。
同社では今回のポリシー変更にあたり、旧バージョンを利用する企業や組織への対応策として、「IE 8」との下位互換性を強化した「エンタープライズモード」を「IE 11」に4月より提供している。OSのサポート期間は、同モードもサポートしていく方針だという。
サポートライフサイクルポリシーの変更は、1年以上先ではあるものの、旧バージョンに依存するアプリケーションを利用している企業や組織などは注意が必要だ。環境の移行や、「エンタープライズモード」の活用など検討する必要がある。
(Security NEXT - 2014/08/19 )
ツイート
関連リンク
PR
関連記事
7月は脆弱性14件を「悪用が確認された脆弱性カタログ」に追加 - 米当局
米当局、「Twilio」や「IE」の脆弱性悪用に注意呼びかけ
未使用でも影響、7月修正の「IEゼロデイ脆弱性」 - 遅くとも5月に悪用
既知の脆弱性10件、積極的な悪用に警戒を - 約10年前の脆弱性も
脆弱性攻撃の8割超が「Office」狙い - いまだFlash狙いの攻撃も
サポート終了も1割強が業務でIE利用 - 35%はEdgeのIEモード
MS、独自修正含む「Microsoft Edge 101.0.1210.32」をリリース
Officeファイル開くとコード実行されるゼロデイ脆弱性が判明 - すでに悪用も
MS、5月の月例パッチで脆弱性55件を修正 - 3件が公開済み
MS、3月の月例セキュリティ更新を公開 - ゼロデイ脆弱性にも対応