DellのPCに脆弱な証明書 - 中間者攻撃で盗聴などのおそれ
Dellが提供するパソコンにおいて、Windowsの証明書ストアに脆弱なルート証明書が、信頼できる証明書としてインストールされていることがわかった。
一部ユーザーの指摘により、プリインストールされているリモートサポート用ソフトフェア「Dell Foundation Services(DFS)」が、「eDellroot」という名の自己署名証明書を利用していることが判明したもの。秘密鍵を容易に取得できる状態で、サーバ証明書の署名へ悪用などが可能な状態だという。
悪意あるプロクシーなどを用いた中間者攻撃などが行われた場合、HTTPSによる暗号化通信であっても内容が盗聴、改ざんされる可能性がある。不正サイトへ利用されるおそれもある。
2015年はじめに、Lenovoが脆弱な証明書を利用するSuperfishのソフトウェアをプリインストールしていた問題が発覚しており、第2のSuperfish問題であるとの声も挙がっている。これに対し同社は、今回の問題について「マルウェアやアドウェアではない」との見解を示し、「顧客へ迅速にサービスを提供したり、端末のモデルを識別するために導入していた」と釈明した。
その上で「個人顧客情報を収集するために使用していない」とプライバシー侵害について否定し、削除方法をアナウンスするとともに、ソフトウェアの更新を行い、検出した場合には削除するとしている。
一方で、あらたな問題も明らかとなっている。「eDellroot」とは別のソフトウェアである「Dell System Detect」により、「DSDTestProvider」という証明書がインストールされるもので、任意で導入するソフトウェアだが、同様の問題が生じるとの指摘が出ている。
US-CERTやCERT/CCなどセキュリティ機関では、問題が指摘されている証明書を取り除くか、信頼できない証明書へ追加するよう管理者やユーザーへ注意を呼びかけている。
(Security NEXT - 2015/11/25 )
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