2015年の10大消費者問題 - 年金情報流出やマイナンバー詐欺
国民生活センターは、2015年の「消費者問題における10大項目」を取りまとめた。「個人情報削除詐欺」や「年金情報の流出」「マイナンバー制度便乗詐欺」などが入っている。
同センターでは、毎年消費者問題として社会的に注目を集めた事件や、消費生活相談が多く寄せられたもののなかから、「消費者問題における10大項目」を選出、発表しており、2015年の10大項目を取りまとめたもの。
以前高水準にあるとしてチョイスしたのが「公共機関を装った詐欺」。以前よりある手口だが、複数人で騙す劇場型詐欺が一層発展し、巧妙化した。「個人情報が漏れているので削除する」などと騙す手口をはじめ、高齢者が狙われていると指摘。不祥事や事件などに便乗するケースもあり、引き続き注意が必要な状況となっている。
今回、消費者問題のひとつとして、日本年金機構の端末がマルウェアへ感染し、約125万件の年金関連情報が流出した事件を選出。消費者の不安が高まり、事件に便乗した詐欺が発生するなど社会問題化したことを理由に挙げた。
2016年1月の制度開始に向けて、10月からマイナンバーの通知が開始されているが、個人情報を聞き出したり、現金を奪おうとする便乗詐欺が発生。マイナンバーに関する不審電話の相談も、8月まではひと桁台だったが、10月には90件へと増加した。
またインターネットの普及にともない、あらたな決済手段が増加。カード上で金銭データを管理するのではなく、サーバ上でデータを管理するプリペイドカードも増えているが、しくみを正しく理解していない消費者から、言葉たくみに電子マネー化するためのカード記載内容を聞き出す詐欺が発生しているとして、10大項目のひとつとした。
これらも含め、同センターが選んだ2015年の「消費者問題における10大項目」は以下のとおり。
・公的機関をかたる詐欺的勧誘が依然高水準 高齢者がターゲットに
・ウイルスメールにより大量の年金情報が流出
・マイナンバー通知開始 便乗詐欺被害が発生
・分譲マンションの基礎杭データ改ざんが発覚 大手企業への不信感高まる
・決済手段の多様化によりキャッシュレスが進展 プリカ詐欺も発生
・消費者トラブルのグローバル化 体制整備始まる
・大規模自然災害相次ぐ 被害に便乗した消費者トラブルも
・子どもの事故 防止へ向けて引き続き取り組みを強化
・変わる制度 新たな制度 消費者ホットラインも「188」へ
・消費者関連法令 次々と見直し
(Security NEXT - 2015/12/21 )
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