2015年4Qの不審なメール情報は723件、標的型攻撃メールは19件
2015年第4四半期のメールによる標的型攻撃は19件だった。過去に観測例のない遠隔操作型マルウェアが発見されたという。
サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)の運用状況を情報処理推進機構(IPA)が取りまとめたもの。同団体は、サイバー攻撃の被害拡大防止を目的に、2011年10月に発足。重要インフラ業界など6分野から62組織が参加している。
同四半期に参加組織から情報提供のあった不審なメール件数は723件。前期の88件から約8倍へと急増した。10月と12月に日本語のマルウェア添付メールが大量に流通したのが原因で、この「ばらまき型メール」に対する情報提供が466件にのぼり、全体の64%を占めている。
さらなる原因として、マルウェアとは無関係の正規メールや、広告目的のスパムメールの情報提供などが166件にのぼった。
J-CSIPでは、判断に迷った場合は念のため情報提供するよう呼びかけており、これまでも月に数件あったが、同四半期は一時的に増加が見られた。これらの現象を一過性のものと見なして差し引いた場合、情報提供数は91件で前期までとほぼ同水準となる。
標的型攻撃メールは19件で、過去に観測例のない遠隔操作型マルウェアが見つかったほか、zip形式の添付ファイルはすべて暗号化されているなどの特徴が見られた。また数カ月前に修正されたばかりの「Office」の脆弱性を悪用した攻撃も観測された。
添付ファイルの種類(グラフ:J-CSIP)
19件の標的型攻撃メールを送信元地域別に見ると、「日本」が最多で「韓国」「香港」とアジアを集中となっている。マルウェアの不正接続先は「日本」が半数を占めた。
メール種別では「添付ファイル」が58%、「URLリンク」が16%。添付ファイルのうち「Office文書」が37%、「実行ファイル」が36%、「実行ファイル(RLO)」が27%だった。
(Security NEXT - 2016/01/26 )
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