ネットバンク不正送金被害、過去最悪 - 223金融機関で発生
2015年は、オンラインバンキングにおける不正送金の被害が、はじめて30億円を超えたことが警察庁のまとめでわかった。件数ベースでは前年を下回ったものの、金額ベースでは被害が拡大している。
月別の被害件数推移(警察庁)
2015年のオンラインバンキングによる被害件数は1495件。前年の1876件から減少した。一方、犯人により不正に送金処理が行われた被害額は、前年の29億1000万円を上回る30億7300万円。金融機関が阻止した被害を差し引いた「実被害額」に関しても、前年の24億3600万円から26億4600万円へと増加した。
被害額が増加した背景には、都市銀行から信金や信組、農協、労金などへ被害が拡大していることが挙げられる。被害が発生した金融機関は前年の102機関から、223機関へと2倍以上に急増。特に信金の法人口座における被害が目立っている。
金融機関別の被害件数推移(警察庁)
被害の発生は、セキュリティ対策を実施していない環境が大半を占める一方、個人口座の場合、ワンタイムパスワードを利用していた9.7%で被害が発生。また法人被害に関しても、17.2%が電子証明書を利用していたものの、被害に遭っていた。
不正送金先の口座は中国人名義のものが57%、日本人名義が25.5%だった。口座売買など関連事件の検挙事件は、前回の115件を下回る97件。検挙人数も233人から160人へと縮小している。
(Security NEXT - 2016/03/04 )
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