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Angler EK利用の不正広告攻撃が発生 - 24時間で数万ユーザーに影響か

マルウェアを感染させる目的の悪意ある広告が配信される「マルバタイジング」がたびたび問題となっているが、3月に入り、Anglerエクスプロイトキットを利用した攻撃キャンペーンが、ふたたび米国内で展開されている。

攻撃を観測した米Trend Microによると、同キャンペーンは米国のユーザーを対象としたもの。問題の不正広告は、侵害を受けた1件のアドネットワークを通じて複数配信され、利用者が多いニュースサイトやエンターテインメントサイトなどに掲載されたという。

今回の攻撃で利用された「Angler EK」の活動は、米国内において3月7日より増加。3月13日に活動のピークを迎えた。同社は、今回の攻撃キャンペーンにより、3月13日から翌14日にかけての直近24時間だけでも数万ユーザーに影響を及ぼした可能性があると分析している。

問題の広告を読み込むページを訪問すると、2件の不正広告配信サーバへリダイレクトされ、2番目のサーバにおいて「Angler EK」により「BEDEP」の亜種へ感染。さらに同マルウェアを通じて「TROJ_AVRECON(TROJ_EVOTOB)」がダウンロードされるしくみだった。

今回のキャンペーンでは、すでに有名なポータルサイトなどを通じた不正広告配信は見られないものの、現在も攻撃は続いていると同社は指摘。「Angler EK」は、「Adobe Flash Player」や「Silverlight」などの脆弱性を悪用しており、ソフトウェアを最新に保つよう、注意を呼びかけている。

お詫びと訂正:本記事初出時の記載について、「有名なポータルサイト」における攻撃がないと受け取れる表現がありましたが、修正いたしました。ご迷惑をおかけした読者、関係者のみなさまにお詫びし、訂正いたします。

(Security NEXT - 2016/03/15 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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