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Flash脆弱性、3月末よりエクスプロイトキットがゼロデイ攻撃 - ランサムウェアを拡散

Adobe Systemsが、緊急アップデートで修正した「Adobe Flash Player」のゼロデイ脆弱性「CVE-2016-1019」が、すでに複数のエクスプロイトキットにより利用されていることがわかった。遅くとも3月31日には悪用がはじまっており、ランサムウェア「Cerber」「Locky」などの拡散に利用されていたという。

今回明らかとなった脆弱性「CVE-2016-1019」は、「型の取り違え」によりコードを実行されるおそれがある脆弱性。「同21.0.0.197」および以前のバージョンに存在し、悪用されると端末の制御を奪われるおそれがある。

Proofpointのセキュリティ研究者が、4月2日にエクスプロイトキットの「Magnitude」が、セキュリティ対策が甘い旧バージョンの「Flash Player 20.0.0.306」に対して攻撃を行っていることを発見。FireEyeと共同の調査で未修正の脆弱性であることが判明し、Adobe Systemsへ報告した。

Proofpointによると、「Magnitude EK」は直近数カ月、「Cryptowall」の拡散を行っており、3月中旬には「Teslacrypt」へシフト、さらに3月末に「Cerber」とランサムウェアを利用した攻撃を展開。そうしたさなか今回の脆弱性が悪用されたという。「Cerber」や「Locky」の拡散に利用されていた。また「Nuclear EK」においても3月31日の段階で同脆弱性を悪用していたと見られている。

今回判明しているゼロデイ攻撃は、旧バージョン「同20.0.0.306」および以前のバージョンのみ影響を受けるが、脆弱性そのものは「同21.0.0.197」にも存在しているため、今後さらなる攻撃範囲の拡大が懸念される。Adobe Systemsやセキュリティベンダーでは早急なアップデートを呼びかけている。

(Security NEXT - 2016/04/08 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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