Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

2015年4Q、組織内部からの不審通信が増加 - 汚染iOSアプリに起因

2015年第4四半期は、外部からの通信による重要インシデントが減少した一方、ネットワーク内部からの不審な通信による重要インシデントが増加したとの調査結果をラックが取りまとめた。

同社が運営するセキュリティ監視センター「JSOC」におけるセキュリティインシデントの検知結果を分析し、攻撃の発生傾向についてまとめたもの。

ファイアウォールやIPS、サンドボックスで検知したインシデントを重要度によって4段階に分け、そのうち攻撃が成功し被害が発生している可能性が高いと判断した「Emergency」と「Critical」について「重要インシデント」に分類している。

2015年第4四半期における重要インシデントの発生件数は、インターネットからの攻撃通信によるものと、ネットワーク内部からの不審な通信によるものをあわせると444件だった。

インターネットからの攻撃通信による重要インシデントの発生件数は156件で、前期の289件から縮小。内訳を見ると、「SQLインジェクション」が40件と最多。「クロスサイトスクリプティング(31件)」、「不審なファイルのアップロード(26件)」が続く。前期に87件と最多だった「HeartBleed」は11件に減少した。

ネットワーク内部からの不審な通信による重要インシデントは288件で、前期の212件から増加。最も多く検知されたのは、改変された非正規の「Xcode」でコンパイルされたiOSアプリ「XcodeGhost」に起因するもので115件。「標的型攻撃」が29件で続いた。

前四半期には最多104件で最多だった「Zeus」は21件。今回あらたにランサムウェアによる通信6件が検知されている。9月には、オンラインバンキングのアカウント情報を盗むZeusの亜種「ZeusVM」による通信を多数検知したが、10月以降は減少したという。

(Security NEXT - 2016/05/20 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

JPCrypto-ISACが設立 - 暗号資産業界の情報共有など推進
先週注目された記事(2025年2月23日〜2025年3月1日)
中小企業4社に1社でインシデント被害 - 約7割で「取引先に影響」
NICTがシンポジウム開催 - 研究報告や女性活躍のパネルも
2024年4Qのインシデントは約8%増 - 「FortiManager」脆弱性の侵害事例も
「MS 365」のログ活用、脅威検知分析を実現する資料 - 米当局
北朝鮮による暗号資産窃取に警戒を - 日米韓が共同声明
まもなく長期休暇、万全なセキュリティ対策で良い年越しを
「セキュリティ・キャンプアワード2025」 - 学会発表の旅費支援も
制御システムセキュリティカンファレンス2025 - 参加申込受付を開始