Security NEXTでは、最新の情報セキュリティに関するニュースを日刊でお届けしています。

「Angler EK」に緩和ツール「EMET」を回避するエクスプロイト

エクスプロイトキット「Angler」が、マイクロソフトの脆弱性緩和ツール「EMET(Enhanced Mitigation Experience Toolkit)」を回避するエクスプロイトコードをあらたに実装したことがわかった。

「EMET」は、脆弱性に対する攻撃の影響を緩和する無料のソフトウェア。FireEyeが、最新の「EMET」を回避することを確認したもので、ランサムウェア「TeslaCrypt」を感染させていた。同社が「Windows 7」で実際に機能することを確認した。

FireEyeが今回確認した「Angler EK」では、「VBScript」のエクスプロイトについて、「EMET」の「ASR」で実行を阻止できたものの、「Adobe Flash Player」や「Silverlight」向けのコードを防ぐことができない。

いずれのエクスプロイトも「DEP(Data Execution Prevention)」を回避。「ROP(Return Oriented Programming)」が「DEP」の回避に用いられるケースがあるため、EMETでは「ROP」への対策機能も備えているが、今回のケースでは、「ROP」を用いずに回避を実現していた。

さらに、「Silverlight」のエクスプロイトで「EAF(Export Address Table Filtering)」を避けていたほか、「Adobe Flash Player」に対するエクスプロイトでは、「EAF+」を回避していたという。

同社では、こうした状況に対し、被害が発生するリスクを低減するため、脆弱性を修正するセキュリティアップデートの適用はもちろん、可能であれば、ソフトウェアのアンインストールなども視野に入れるよう案内している。

(Security NEXT - 2016/06/07 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク

PR

関連記事

「Chrome」にアップデート - 3件のセキュリティ修正を実施
NVIDIAのGPUリソース管理ツールに深刻な脆弱性 - アップデートを
TIBCOの分散アプリ監視管理ツールに深刻な脆弱性 - 修正アップデートが公開
「iOS」「iPadOS」のアップデート公開 - ゼロデイ脆弱性を修正
Apple、「macOS」向けにゼロデイ脆弱性を解消するアップデート
Palo Alto、「PAN-OS」の脆弱性を特定して修正 - すでに悪用も
Apache Traffic Serverに複数の脆弱性 - アップデートで修正
Synologyの監視カメラ3モデルに深刻な脆弱性
「MS Edge 131」を公開 - 独自含む脆弱性9件を解消
ロードバランサや「PAN-OS」の脆弱性悪用に注意喚起 - 米当局