2016年2Q、引き続き多発するウェブ改ざん被害 - DoS攻撃は一服
2016年第2四半期のインシデント件数は3791件で、前四半期から改善した。ウェブサイトの改ざん被害についても、前四半期を下回っているが、引き続き被害が目立っているという。
インシデント件数などの推移(表:JPCERT/CC)
JPCERTコーディネーションセンターが、同四半期に発生したインシデント件数を取りまとめたもの。同四半期のインシデントは3791件で、前四半期の4143件から改善した。ただし、2015年第4四半期の3169件からは依然として高い水準にある。同センターの調整件数は2559件で前四半期の2955件を下回った。
月別にインシデント件数の推移を見ると、4月がもっとも多い1497件。5月に1168件、6月に1126件と期末に向かって縮小した。前四半期も踏まえて流れを見ると、2月に1410件、3月に1739件と推移したが、3月をピークに減少傾向へ転じている。
インシデントの内容を見ると「スキャン」が1520件、ウェブサイトの改ざんが1065件で続く。それぞれ前四半期の1654件、1268件を下回る水準だった。前四半期から大きな変化は見られなかったフィッシングサイトが642件で3番目に多かった。
多発したサイトの改ざん被害だが、同センターによれば、被害サイトの多くがCMSを使用。特定のブラウザに対してのみJavaScriptを挿入する攻撃が、前四半期より引き続き発生していた。また「head」タグへ、「jquery.min.php」を含むURLへ誘導する改ざん攻撃が観測されている。
一方、大きな変化を見せたのが「DoS、DDoS」。前四半期に86件と急増したが、2016年第2四半期は、2015年第4四半期と同じ11件へと縮小している。他方標的型攻撃は、前四半期の6件から15件へと2.5倍に拡大。国内組織のIPアドレスから諜報フレームワーク「Scanbox」へ通信が行われた事例を確認したという。
(Security NEXT - 2016/07/14 )
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