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サイト上での仮想通貨発掘プログラム設置に無罪判決

閲覧者のブラウザ上で仮想通貨をマイニングするスクリプトを自身が運営するウェブサイトに設置した都内在住の男性が、いわゆる「ウイルス罪」に問われた裁判で、横浜地方裁判所の本間敏広裁判長は3月27日、男性に無罪を言い渡した。

今回の裁判は、「Coinhive」を設置した男性が刑法の不正指令電磁的記録保管罪、いわゆる「ウイルス罪」に問われたもの。男性は当初略式起訴され、10万円の罰金刑が言い渡されたが、それを不服として正式な裁判を申し立て、無罪を主張していた。

判決では、閲覧者が意図しないところでプログラムが設置されたことを認めたものの、当時は警察より注意喚起なども行われておらず、閲覧者の端末に与える影響は軽微で、「Coinhive」による収益がウェブサイトの安定した運営につながることなども踏まえると、「不正指令電磁的記録」にはあたらないと認定。

また仮に「Coinhive」が「不正指令電磁的記録」にあたった場合も、男性に故意や実行の用に供する目的もなかったとした。

(Security NEXT - 2019/03/27 ) このエントリーをはてなブックマークに追加

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