医療情報狙う攻撃 - 新型コロナ前後の国内観測動向は
新型コロナウイルス感染症のワクチンなど知的財産を狙い、ロシアが関与するとされる攻撃グループ「APT 29」が展開するとされるサイバー攻撃。攻撃で使用されたマルウェアを2年前に最初に報告したラックに直近の国内感染動向を聞いた。
攻撃が明らかにされたのは、イギリス国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が公開したアドバイザリ。カナダ、米国との連名で発表された同アドバイザリには、攻撃に利用されたマルウェアのハッシュ値や、通信先のIPアドレスなど、「IoC(Indicators of Compromise)」情報が含まれる。
なかでも注目されるのが、2年以上前となる2018年に国内で報告されていたマルウェア「WellMess」が攻撃に利用されていたとの指摘だ。
同マルウェアは、開発言語に「Go」を用いており、新手のマルウェアとして6月にラックが報告。JPCERTコーディネーションセンターからも分析情報が公開された。「Go」以外にも「.NET」で開発された亜種が見つかっている。
同マルウェアを解析し、2018年にフランスで開催されたセキュリティカンファレンス「Botconf 2018」で発表を行ったラックのサイバー救急センターインシデントマネジメントグループでグループリーダーを務める石川芳浩氏と同グループ所属の長野晋一氏によると、同マルウェアを最初に国内で確認したのは、同社センターによる対応時で2018年1月末から2月初旬にかけてだったという。
(Security NEXT - 2020/07/22 )
ツイート
関連リンク
PR
関連記事
「出前館」が3日間にわたりサービス停止 - マルウェア感染で
未使用でも影響、7月修正の「IEゼロデイ脆弱性」 - 遅くとも5月に悪用
「Foxit PDF Reader」の警告画面に問題 - 悪用する攻撃も
露APT28のマルウェア「GooseEgg」が見つかる - 2019年4月よりゼロデイ攻撃を展開か
発覚2カ月前にもマルウェア実行の痕跡、情報流出は否定 - こころネット
ランサムウェア「ALPHV」、医療分野中心に被害拡大
「環境変数ファイル」など狙うマルウェア「Androxgh0st」
ランサムウェア「Play」に警戒を - 米豪当局が注意喚起
サポート詐欺でPC遠隔操作、情報流出は否定 - 京都教育大付属中
Android狙うマルウェア「Infamous Chisel」 - 海外当局がロシア関与と分析